『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
〈2012年 アメリカ〉
「虎と漂流、200日~?、ディズニーの子供映画かよ。」なんて流そうとしたら、何と監督がアン・リー。『ブロークバック・マウンテン』(05)と『ラスト、コーション』(07)の超ハードな2作は私の中で今も強烈な印象を放っております。で、今作はリアリティを太い背骨にして全編を貫き、夢のようなファンタジーで盛り上げ、そしてラストは観客それぞれに委ねるスケールの大きな物語。白黒はっきりさせず、どんな解釈でもいいじゃないか、という懐の深さが後々になってジーンと染み入ってきます。 〈ワーナーマイカル茅ヶ崎にて〉