2014年3月26日水曜日

【まぁやぁのこんな映画みました/vol. 36】

『天国の門』《デジタル修復完全版》〈1980年 アメリカ〉


『ディア・ハンター』(’78)で成功したマイケル・チミノ監督が意気込んで作ったが、巨額の制作費と興行の大失敗により制作会社を破産に追い込んだ事で有名な本作、いつもと違うドキドキで観ました。のっけの主人公達の大学卒業シーンから大迫力の映像、思わずのけぞります。汽車駅の雑踏シーン、ローラースケートリンクでのダンスシーン等、映画好き必見シーン多数あり、アメリカン・トラディショナル・フォークを基にした音楽も素晴らしいです。が!19世紀末、アメリカのワイオミング州で起きた移民達の悲劇のストーリーが悲しいかな、段々と破綻していきます。おいおいっ、と突っ込みつつ脱力感をも伴うエンディングに至る頃には、何かを通り越して、潔さまで感じてしまいます。でも駄作として片付けられない凄まじい光を放っている一本でした。    〈シネマ ジャックアンドベティにて〉